カルノー機関




 

熱機関 Heat engine

熱機関は、熱い空間で冷たい空間にエネルギーを移動させながら動作するマシンを指します。この過程で、熱機関は、熱エネルギーの一部を力学的エネルギーに変換します。
すべての熱機関は、一連の状態を経た後、元の状態に戻ります。このサイクルを一周回る間、熱機関は、外部に仕事をします。
自動車のエンジンのように、熱エネルギーを利用して動く、すべてのマシンは、熱機関です。
エアコンのように、可逆的に作動される熱機関もあります。つまり、エアコンは、外部からの仕事をして熱エネルギーを移動させます。

カルノー機関 A Carnot engine

「カルノ機関」は、可逆的なカルノーサイクルをベースにした熱機関の種類です。この機関の基本的なモデルは、1824年にフランスの工学者カルノが考案しました。
カルノー機関は、単原子分子の理想気体が含まれているシリンダと、摩擦がなく、自由に動くことができるピストン、そして加熱と冷却が自由な部分で構成されます。
内部の気体は膨張しながら、外部に仕事をすることができ、逆に、外部から仕事を受けて圧縮なることもあります。
結果的には、気体が膨張しながら外部にした仕事の量が、圧縮されながら受ける仕事の量よりも大きいので、全体的に仕事をしたことになります。

カルノー機関の作動サイクル

  1. 等温膨張 - 高温に維持されている蓄熱体から気体が熱を吸収します。
  2. 断熱膨張 - 気体が膨張されながら温度が低くなります。
  3. 等温圧縮 - 低温に維持されている蓄熱体に気体が熱を放出します。
  4. 断熱圧縮 - 気体が圧縮されながら温度が上がります。

カルノー機関の意味

カルノー機関は、理想的な熱機関の種類として、実際にこれらの機関は、存在することができません。それぞれの過程が可逆的であっても、動作の過程の中で起こる摩擦によって不可逆的なプロセスになってしまうからです。また、断熱膨張と断熱圧縮される過程も、実際には起こることができません。外部との熱が完全に遮断されている物質が存在しないからです。
結局、カルノー機関の意味は、物理的に可能な最高効率の熱機関であるということくらいです。

熱機関の効率

熱機関が受けた熱エネルギーを100%力学的エネルギーに変換するためには、熱を捨てるとき、絶対零度(0K)の温度で捨てなければならなりません。ところが、このように低い温度は、実際には不可能です。
カルノー機関が理論的に最も高効率の熱機関であっても、受けた熱エネルギーを100%力学的エネルギーに転換させることができません。したがって、一般的な熱機関の効率はこれより低くなります。